育毛剤について
育毛剤の主な成分
センブリエキス
リンドウ科の千振(センブリ)という植物から抽出したエキスです。血行を促進する作用を持つため、頭皮の血行を改善して栄養供給を活性化することで、髪の毛の成長をサポートする効果を発揮します。またセンブリエキスには毛乳頭細胞を活性化するアマロスウェリンやアマロゲンチンが含まれているので、毛乳頭細胞を刺激して発毛を促す効果を期待できます。
その他にも抗炎症作用や抗酸化作用を持った成分を豊富に含んでいます。そのため薄毛や抜け毛の原因に繋がる頭皮の炎症を改善したり、頭皮の細胞を劣化させる活性酸素を除去する効果を得られます。
ヒオウギエキス
アヤメ科の檜扇(ヒオウギ)という植物から抽出されたエキスです。頭皮は真皮からコラーゲンが失われると老化するため薄毛や抜け毛が増えやすくなりますが、ヒオウギエキスにはコラーゲンを減らす原因であるMMP-1という分解酵素の生成を抑える効果があります。そのため20代などの若い時期から使用することで、老化を防いで頭皮を若々しい状態に保てます。
またヒオウギエキスにはAGAの原因物質を生成する作用を持った5αリダクターゼの働きを抑制する効果があるため、AGAの症状改善も期待できます。
オウゴンエキス
黄金花(コガネバナ)という植物の根から抽出されたエキスのことをオウゴンエキスと呼びます。抗炎症作用を持つため、薄毛や抜け毛の原因に繋がる頭皮の炎症を治す効果を発揮します。さらに保湿作用を持つため、頭皮の炎症や皮脂の過剰分泌を招く原因である頭皮の乾燥を改善する効果を得られます。
また最大の薄毛原因であるAGAの原因物質であるジヒドロテストステロンの生成を妨げる効果を持つため、AGAの症状を改善する効果も期待できます。
M-034
M-034は昆布やワカメなどの褐藻類から抽出された成分です。育毛効果を持つことを厚生労働省に認められて、医薬部外品に配合することを許可されている成分です。髪の毛に栄養分を供給するための血管の新生を促進したり、髪の毛の退行を誘導するFGF5というタンパク質の働きを阻害するFGF5Sという抑制因子の生成を促進します。
またヒアルロン酸に近いレベルの保湿効果を持つため、育毛促進と脱毛の抑制、頭皮の乾燥改善の効果を発揮します。
育毛剤の種類
育毛剤は薄毛や抜け毛の原因によって、以下の種類を使い分けることが大切です。
栄養補給タイプ
髪の毛の元である毛母細胞の成長に必要な各種ビタミンやアミノ酸などの栄養分が豊富に含まれている育毛剤です。
血行促進タイプ
薄毛や抜け毛を引き起こす原因である頭皮の血行悪化を改善する効果を持った成分が豊富に含まれている育毛剤です。
男性ホルモン抑制タイプ
AGAの発症に大きな影響を与えている男性ホルモンの働きを抑制することで薄毛や抜け毛を改善する育毛剤です。
頭皮保湿タイプ
薄毛や抜け毛を進行させる原因である頭皮の乾燥の予防や改善に役立つ保湿成分が豊富に含まれている育毛剤です。
皮脂抑制タイプ
頭皮の炎症や雑菌の繁殖を引き起こす原因である皮脂の分泌を抑制する成分が含まれた育毛剤です。
AGAの場合
AGA(男性型脱毛症)は、1,200万人以上の患者が存在するといわれている最大の薄毛原因です。男性ホルモンの働きによって発症するため、思春期以降に発症するリスクがあります。そのため20代などの若い方でもAGAを発症して薄毛が目立ち始める場合があります。
また遺伝が原因で発症するので、頭皮への栄養供給や生活習慣などで治療することが難しい症状です。そのため症状を改善するには、病院やAGAクリニックなどに通ってミノキシジルやフィナステリドといったAGAの治療成分を使った治療を受ける必要があります。
しかし内服薬で使用するとミノキシジルなら多毛症や低血圧、フィナステリドなら男性機能低下や倦怠感などの副作用を発症するリスクがあります。そのため副作用が気になる方はこれらの成分を注射針で頭皮に注入する育毛メソセラピーという治療を受けたり、副作用が起きないように医師に濃度を調整してもらうことが大切です。
生活習慣の改善
高脂肪・高カロリー食品を控える
高脂肪食品や高カロリーな食品を頻繁に摂取していると、身体が余分な脂肪分を体外に排出しようとするため頭皮の皮脂分泌量が増加します。そのため余分な皮脂が毛穴に詰まって髪の毛の成長を邪魔したり、炎症を引き起こして抜け毛を増加させます。
また増加した皮脂がマセラチア菌という頭皮の常在菌を過剰に増やすことで、脂漏性脱毛症という抜け毛の増加や頭皮の痛みなどを引き起こす症状を発症する可能性もあります。そのため頭皮や髪の毛が脂っぽくてベタつく方は、低脂肪低カロリーの食事を心がけることが大切です。
極端なダイエットをしない
極端なダイエットをすると、少量の栄養分は生命維持活動に必要な内蔵などを優先して使用されます。そのため頭皮や髪の毛に送られる栄養分が削減されるので、栄養が不足して頭皮環境が悪化したり髪の毛がやせ細ったりします。
そのため薄毛が進行したり抜け毛が増えやすくなるため、薄毛対策のためには極端なダイエットを避けることが大切です。薄毛や抜け毛の症状の多くは中高年の間に顕著ですが、栄養不足による薄毛や抜け毛は20代以下に多いので、特に若い方は注意が必要です。
適度な運動
ジョギングやウォーキングなどの適度な運動を行うことで頭皮の血行を促進して、薄毛や抜け毛を予防する効果を得られます。また運動をすることで余分な脂肪分が体内に溜まりにくくなるため、頭皮で皮脂が過剰分泌されることによって起きる薄毛や抜け毛などを防ぐ効果も得られます。
禁煙
タバコに含まれているニコチンという成分には、血管を収縮させて血行を悪化させる作用があります。そのため喫煙する習慣があると慢性的に頭皮の血行が悪くなり、髪の毛や頭皮への栄養供給が滞って薄毛や抜け毛が悪化しやすくなります。
さらに米国のハーバード大学が行った調査によって、喫煙が原因でAGAの原因物質であるDHTが増加する可能性が指摘されているため、薄毛や抜け毛が気になる方は禁煙することが大切です。
髪の毛と頭皮の正しいケア方法
正しい方法で洗髪する
以下の手順で洗髪することで、頭皮や髪の毛に余計なダメージを与えずに薄毛を改善する効果を得られます。
ブラッシング
ブラシを使って毛穴に詰まった皮脂汚れを取り除きます。
予洗い
お湯を使って頭皮や髪の毛に付着した汚れを洗い落とします。汚れの8割程度は予洗いだけで洗い落とせます。
仮洗い
少量のシャンプーで洗髪します。仮洗いを行うと本洗いの時に泡立ちが良くなります。
本洗い
多めのシャンプーを使って洗髪します。ただし大量に使用すると頭皮に付着したシャンプーが炎症などを引き起こすので注意が必要です。あらかじめ手元で泡立ててから髪の毛に付けることで、シャンプーが頭皮に付きにくくなります。
すすぎ
頭皮に残らないように数分かけてしっかりとシャンプーを洗い落とします。
育毛シャンプーを使う
市販の安いシャンプーに配合されている石油系界面活性剤という成分は、洗浄力が強すぎるため頭皮環境を悪化させるリスクがあります。そのため1,000円以上と高価ですが、薄毛や抜け毛が気になる方は頭皮にダメージを与えないアミノ酸系界面活性剤が配合されている育毛シャンプーを使用することが大切です。
ツボとマッサージ
薄毛を改善するツボ
腎穴(じんけつ)
手のひら側の小指の第一関節にあるツボです。指圧することで薄毛や抜け毛などを改善できます。
百会(ひゃくえ)
百会は頭頂部の中心にあるツボです。指圧することで頭皮の血行を促進して頭皮環境を改善できます。
三陰交(さんいんこう)
三陰交は内側のくるぶしから指4本分ほど上にあるツボです。指圧することで肝臓や腎臓の機能を高められるため、育毛剤や食事に含まれている育毛成分の効果を高められます。
角孫(かくそん)
角孫は耳の付け根の上と髪の毛の生え際の間にあるツボです。指圧することで頭皮の血行を促進して髪の毛の成長をサポートする効果を得られます。
頭皮マッサージ
頭皮が凝り固まって血行が悪化すると、髪の毛の成長に必要な各種栄養分の供給が妨げられるため薄毛や抜け毛が進行します。そのため頭皮が固い方は指の腹などを使って頭皮にマッサージを施すことが大切です。また入浴中などの身体が温まって毛穴が開いている時に行うことで、毛穴に詰まった皮脂汚れを掻き出す効果も得られます。
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