成分に注目していこう
とても多い育毛剤の種類
育毛対策をしようと育毛剤を選ぶとき、どれにしようか迷ってしまうかもしれません。市販されている育毛剤の数は膨大なものとなっており、一見しただけではどれを使えば良いか分からないほどです。
もしかしたら乾燥肌なのに、皮脂が多い方用の育毛剤を選んでしまう可能性も十分にあります。そんなときはしっかりと配合成分を確認すると良いでしょう。どの成分がどのような働きをしているのかが分かれば、おのずと自分が選ぶべき育毛剤も見えてくるはずです。
基準は自分の頭皮
先述したように、自分の頭皮が乾燥肌の場合は、あまり洗浄効果の高い育毛剤は使用しない方が無難です。少ない皮脂を取り去ってしまうと、肌荒れの原因にもなってしまうでしょう。逆に皮脂が多い方は洗浄成分を配合した育毛剤を選ぶと安全です。
実は、頭皮における皮脂の多さというのは直接的には育毛に関わらない部分です。頭皮がいくら荒れていても、髪の毛は皮膚の奥深くに根本があるので関係なく生えてきます。
ただし、乾燥肌でフケが出るときには、頭皮がかゆくなり掻いてしまうかもしれません。そうなると頭皮の血管を傷つけたり、炎症を引き起こしたりすることもあり、髪の毛の成長を阻害する可能性も十分にあります。
また皮脂が多いときにも雑菌の繁殖により炎症を引き起こすことがあるので、その場合も育毛環境としては理想的でないといえるでしょう。気持ちの良い育毛対策をするためにも、頭皮環境を正常化することは大事なことです。
髪を成長させる前に、まずは頭皮を健康に保つようにしましょう。そのためにも自分に合った育毛剤を選ぶことが重要なのです。
それから育毛とともに、抜け毛予防についても目を向けると良いでしょう。もし抜け毛が多いと感じるなら、抜け毛予防をする成分について考えるのは良いことです。
敏感肌にはノンアルコール育毛剤
肌が乾燥して敏感な状態になっている方の場合、できるだけ刺激の少ない育毛剤をおすすめします。肌が乾燥しているというのは表皮の角質層における水分が失われていて、十分に保湿されていない状態です。保湿が不十分な肌はバリア機能を失い、刺激に弱くなってしまいます。
一方、育毛剤の多くには配合材料の溶剤としてアルコールが使われている状況です。油分と水分を溶かすのにアルコールは非常に便利な物質なのですが、敏感肌の方にとっては困ります。
アルコールは揮発性が高く、肌に付着するとその水分とともに蒸発してしまうからです。乾燥肌に濃度の高いアルコールを塗布すると乾燥はより進み、より敏感な肌になることは間違いありません。
そこで敏感肌の方におすすめしたいのがノンアルコール育毛剤です。ノンアルコールなので刺激が少なく、かゆみや炎症を伴わない育毛対策を行うことができるでしょう。もしお使いの育毛剤の刺激が強いと感じたならノンアルコール育毛剤に切り替えるのも良いかもしれません。
抗炎症効果のある育毛剤もおすすめ
頭皮の状況を改善したいときには抗炎症効果のある成分を配合した育毛剤を選ぶのは良いことです。育毛剤の刺激が強すぎるときにこうした成分を配合した育毛剤を使ってみるとかゆみが治まるかもしれません。
具体的には「塩酸ジフェンヒドラミン」を配合したものがおすすめです。この成分は炎症を鎮める効果があるのです。少し詳しく見ていきます。
花粉症やアトピー性皮膚炎というのは特定の原因物質アレルゲンに対して、免疫活動が盛んになることから発生する症状です。この免疫活動で伝達物質として活動するのがヒスタミンという物質で、花粉症などはヒスタミンが過剰に放出された状態ということになります。
そしてヒスタミンを抑える薬のひとつこそが塩酸ジフェンヒドラミンなのです。この成分は副作用として睡眠を誘発する効果もあるので睡眠改善薬の成分として用いられています。ともかく育毛剤の成分としては鎮静効果やかゆみの抑制を期待できる成分なのです。
医薬部外品にも効果が期待できる
医薬品は一部の育毛剤のみ
実際のところ、育毛剤の多くは医薬部外品となっています。そのため確実に効果があると認められている育毛成分はごく僅かだったりするのです。頭髪を生やすというのは非常に難しいことで、さまざまな要因が組み合わさっているため現在でも研究が続けられています。だからこそ、育毛剤の種類が豊富な状況が生み出されているのです。
育毛剤の中でも代表的な有効成分がミノキシジルです。ミノキシジルは血管を拡張する血圧降下用の薬として開発され検証が続けられた結果、育毛効果が認められたという歴史をもつ医薬品となります。この成分を配合した育毛剤は限られていますが、研究結果からも有効性が認められているので、育毛効果には大きな期待を寄せることができるでしょう。
医薬部外品に求められるエビデンス
ではミノキシジルを使用していない育毛剤には効果がないのかというと、必ずしも効果がないとは断言できないのが現状です。育毛分野における各成分の検証が足りないので効果を断定できない形となっています。
しかし少ないながらも有効な結果が出ている成分もいくつか発見されており、その点に注目すれば医薬部外品であっても効果を期待できるのです。医薬品でないからといって、効かないわけではありません。こうしたエビデンス(根拠)が存在する成分も、いくつか存在しています。
2010年の男性型脱毛症診療ガイドライン
ガイドラインが提示する成分
育毛剤の成分についてまとめた資料として知られるのが「男性型脱毛症診療ガイドライン(2010年版)です。これは各大学の研究者を始めとしたメンバーで構成された策定委員会により、育毛成分について研究したガイドラインで、一定の信頼性を寄せることができます。
ここでは市販されている育毛剤に含まれる成分を「A・B・C1・C2・D」にランク付けし評価しています。特に20代から遺伝を原因とする男性型脱毛症AGAについて言及した資料です。
20代から発症するAGA
男性ホルモン由来の薄毛症状として近年注目されているのが「AGA」です。これは20代といった若年期から発症することもあり、遺伝を原因とするので治療が難しい症状となります。
原因が判明しているものの、確実な策を打つことができないという形です。市販されている育毛剤の中では、先述したミノキシジルが有効に働くかもしれません。
Aランクは効果も副作用も強いミノキシジル
先述したガイドラインにおいてもっとも効果が高いとされているのはミノキシジルです。さすが医薬品だけあって有意な検証結果が残されているのですが、副作用も強いことが知られています。
内服薬ではないので深刻ではなくかゆみや赤み、ないし頭痛が出るかもしれません。ただ経皮吸収により血管へと流れ込んだ成分が、動悸や胸痛を引き起こす恐れもあるので注意が必要です。
C1ランクにはさまざまな成分も
ガイドラインによると、C1ランクとしては「t-フラバノン」「アデノシン」「サイトプリン・ペンタデカン」「ケトコナゾール」といった成分が位置しています。C1ランクは「十分な根拠がないものの行っても良い」というもので、効果を確約するものではありません。ですが有用な効果が見られるので良い影響があるかもしれないと考えられています。
迷ったら成分に注目
育毛剤は日々進化を遂げ、さまざまな成分が配合されるようになりました。ですが余りに多くの商品が販売されているため、自分に合ったものが分からないかもしれません。そんなときには配合されている成分から選ぶようにすると良いでしょう。効果を優先するのであれば男性型脱毛症ガイドラインを参考にするのも良い方法です。薄毛の原因は人それぞれなので自分に合った育毛剤を選んでいきましょう。
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